Monthly Report No.446

マイ仙台暮らし

仙台に着任して

株式会社NTTドコモ 東北支社長 野沢 千晶

第一印象

杜の都「仙台」。観光や出張で何度か訪れていたものの、実際に住んでみるとその住みやすさに、老後に移住される方が多いのも頷けます。

コンパクトにまとめられた市街地と自然豊かな山と海がこれだけの近さに存在する都市は珍しく、人口減少時代に向けて目指すべき「コンパクトシティ」の姿を体現できているのではないかと思います。ちなみに、私は現在、上杉のドコモ東北支社ビルの20Fで執務をしておりまして、毎日、山、海、そして眼下に広がる仙台の街に感動しています。弊社のビルはまだその上に鉄塔もありますので、機会があればぜひ、皆様にも見ていただきたいと思っています。

一年を振り返って

さて、昨年の6月に着任してから、約1年が経とうとしております。着任以来、東北地方を知るべく、色々なところを訪問させていただきました。岩手さんさ踊り、秋田竿燈まつり、青森ねぶた祭、仙台・青葉まつり、仙台七夕まつり、大曲全国花火競技大会と、東北の夏祭りはほぼ制覇したのではと思っています。東北地方のお祭りへの熱量が感じられ、歴史と伝統が息づく地域であることを改めて実感した、そんな夏でした。

今春、桜前線と共に動きながら、仙台では東北大学の片平キャンパスで、会津若松の鶴ヶ城で、秋田の鹿角で、青森の弘前城で満開の桜を堪能してまいりました。弘前城の帰り道に立ち寄った白神山地の十二湖では、コバルトブルーの青池が本当に美しく、自然の偉大さを感じます。

歴史と伝統、そして自然が交わる「東北」、豊かな土地から栽培されるお米や野菜、果実、そして海の幸も含めて、日本の他の地域の方々に、そして海外の方にとっても非常に魅力あるコンテンツだと思いますので、もっとその良さをアピールするべきだなと感じます。私も微力ながら応援したいと思います。

マイ仙台暮らし 紹介写真1
マイ仙台暮らし 紹介写真2
マイ仙台暮らし 紹介写真3

通信会社としての使命

近年、災害の激甚化が進んでいます。私が着任してからも、2024年7月に秋田・山形豪雨が発生し、今年の2月・3月には岩手県の大船渡市で山林火災がありました。「携帯電話・スマホは救援・救助活動や避難生活を支える『命綱』である」ことを肝に銘じ、大船渡でも、火がくすぶる中、消防隊の先導の元で基地局の復旧にあたりました。

通信会社が通信網の強化により一層努めるようになったのは東日本大震災でした。基地局の倒壊、長時間の停電、基地局までの伝送路の切断等により、各通信会社の通信サービスが一斉に止まったことを教訓に、いかに通信網を維持するのかを検討し、対策を施してきています。昨夏、気仙沼や陸前高田等、三陸海岸の震災遺構や伝承館を訪れながら、私自身も今一度、災害に備え、災害時に必ず早期にドコモの通信網を復旧させることを心に刻みました。

平時も災害時も「つながる」ドコモであり続けます。

マイ仙台暮らし 紹介写真4

※「マイ仙台暮らし」では会員様のコラムを募集しております。掲載をご希望の方は事務局までご連絡ください。

幹事会だより

2025年5月19日

今月の幹事会では、小林代表幹事からの挨拶に続き、まずは会員異動について審議を行い、満場一致で承認されました。引き続いて、事務局より後援名義使用申請(仙台X-TECHイノベーションプロジェクト2025-2026、令和7年度仙台市ワーク・ライフ・バランスセミナー、第28回仙台みちのくYOSAKOIまつり)について報告を行いました。

その後、2024年度の社員総会に提出する議案(2024年度事業報告および決算報告、2025年度事業計画および収支計画、2025年度役員等選任(幹事一覧))について事務局より報告を行い、2024年度の各委員会活動に参加した会員を中心に、各活動の感想や2025年度の活動計画について意見交換を行いました。

例会DIGEST

社会起業家アクセラレータプログラム
卒業生による自社事業についてのプレゼンテーション

竹川隆司 氏

株式会社 Zero to One 代表取締役CEO
竹川隆司 氏

はじめに、自ら事業を行いながら、社会起業家の支援・伴走もしている竹川隆司氏が「仙台・東北における社会起業家支援と『ローカルゼブラ』について」と題して講演されました。仙台・東北は課題先進地であり、また、震災を機に他人や地域への貢献のために起業する人が増えたため、支援や伴走の重要性が高いと理解されているそうです。また、社会的価値と事業的価値を両立している「ゼブラ起業」が、産学官金の垣根を越えて共に地域の社会問題を解決し、新たな社会価値を生み出すことが必要であると中小企業庁が発表していることや、仙台経済同友会に関わる企業もローカルゼブラとして動き始めていること、今後も自らの事業の研究を深めていくのでご協力いただきたい等、話されていました。

【竹川隆司 氏 Profile】

野村證券にて国内、海外(ロンドン)勤務等を経て、2011年より米国ニューヨークにてAsahi Net International, Inc.を設立。同社代表取締役として、高等教育機関向け教育支援システム事業のグローバル化を推進。2014年より一般社団法人インパクトジャパンにて、エグゼクティブ・ディレクターとして、カタールフレンド基金の支援を受けた、東北での起業家育成・支援プロジェクト「INTILAQ」(インティラック)を主導、仙台市にイノベーションセンターを設立。2016年、日本最大のMOOCプラットフォームgaccoにて、初めての地方創生コースを開講。2006年ハーバード大学経営学士(MBA)。

高橋由佳 氏

株式会社イーチ・アザー代表取締役
高橋由佳 氏

最初の発表起業家である高橋由佳氏のテーマは「多様性を認め合うまちづくりの実現に向けて」。高橋氏は、労働力不足問題の解決のためにも、障害者や就労困難者の方々が一般就労する仕組みをさらに作っていく必要があると考え、2016年に一般社団法人を設立。しかし非営利の活動だけでは雇用の創出はなかなか実現できず、2024年に分社化して株式会社を設立されました。雇用を創出する一方、働くことができる人が当たり前に働ける社会をつくるために企業的なサポートも実施予定とのこと。ビジネスセクターとソーシャルセクターそれぞれの強みを活かして、社会をより良くしていくこの活動を、皆さんと一緒に進めていきたいと語られました。

【高橋由佳 氏 Profile】

精神保健福祉士・職場適応援助者(ジョブコーチ)。宮城県仙台市出身。二輪メーカーにてモータースポーツ企画運営、自身もレースに参戦。その後、教育・福祉分野の専門職を経て転職。2016年には「Social Firm」を理念とした社会的企業を目指し、一般社団法人イシノマキ・ファームを設立。ホップ栽培を中心とした農業をはじめ、2022年に自社醸造所(ISHINOMAKI HOP WORKS)を創設。クラフトビールの製造販売も行い、就労困難者の雇用創出を促進している。2024年に醸造所を分社化し、株式会社イーチ・アザーを設立。社会性と経済性のハイブリッド組織として事業展開している。

吉崎伸一 氏

一般社団法人Link Workers 代表理事
吉崎伸一 氏

次に吉崎伸一氏が「終わりから考える悔いのない生き方。ACP講座で創り出すこのまちの未来について」をテーマに話されました。ACPとはAdvance Care Planningの略で、厚生労働省も「人生会議」と称して普及活動を行っているそうです。自分が思った通りに生きる、もしくは家族の心残りを減らすためにこの講座が必要で、そのきっかけを地域で作っていく必要があるとお考えでした。また、この講座で自分らしく生きる目標を設定することで、それに伴うアクションが経済効果を生むと思われているとも。この講座を社員研修で活用していただき、様々な企業様に終活の問題解決や顧客満足度向上などのためにも、講座開催に力を貸していただきたいと、述べられました。

【吉崎伸一 氏 Profile】

作業療法士/公認心理士/仙台市太白区在住、3児の父。作業療法士として約20年間、訪問リハで終末医療、在宅支援を行う。フリーランスとして介護予防教室、学校での講師業などを行っている。『死』について考えるACP講座(Advance Care Planning:人生会議)を、主に宮城県内の自治体や地域包括支援センターと一緒に58講座、延べ約1,000人に対して実施。「終わり」について考え「今」大切にしたい事について考える講座は、企業や、高齢者の通いの場で実施しており、参加者の自己理解・相互理解によるチームビルディングや心理的安全性の向上、そして目標設定による主体的アクションにつながっている。

佐藤彩那 氏

株式会社sugar 代表取締役
佐藤彩那 氏

三番目の佐藤彩那氏のテーマは「社会課題だった子育てを地域資源に変える子育てシェアラウンジ」。幼児虐待や母親の自殺、急激な人口減少など、今の日本の課題は母親に身体的・精神的・社会的な負担と責任が偏っていることに原因があるとお考えで、その解決に必要なサポートを全方位的に提供しようと、子育てシェアラウンジに取り組んでいるとのこと。さらに、企業と共同で運営することにより可能になる例として、企業認知や商品の実証フィールド、新商品開発、福利厚生などを挙げられました。ビジョンとして「子育てをもっと楽しく、もっと自由に創造できる社会」を掲げ、皆さんと一緒にできたら嬉しいと話されていました。

【佐藤彩那 氏 Profile】

看護師/保健師/3児の母。元東北大学病院新生児集中治療室看護師。年間1500組以上の親子に関わっていたのに自身の子育てで苦しんだ経験から起業し地域で子育て支援を開始。 子育てと家事をシェアする「子育てシェアラウンジ」運営。保護者向け「ライフキャリアデザインスクール」開催。医療的ケア児家族会役員、難病キャンプ委員。企業コンサルティング(子育て分野)、企業研修講師。

中田将太 氏

株式会社TONAN 代表取締役CEO
中田将太 氏

最後の発表起業家である中田将太氏の発表タイトルは「何歳でも素敵に自分らしく。訪問理美容サービスとTONANの挑戦」。中田氏は「理美容のチカラで人生をいろどり、待ち遠しい明日をつくる」というビジョンを掲げ、岩手県内で美容室の経営にあたりながら、高齢者・出産前後の方、障害をお持ちの方など、来店が困難な方の訪問理美容サービスをされています。さらに訪問理美容のスクールも開催。このような活動を通して、どんな状況であっても諦めずに、自分らしさを大切にしながら人生を歩む人を、一人ずつ増やしていきたいとのことでした。仙台市内でも訪問理美容を広めたいため、事業提携などのご相談等をいただきたいと締めくくられました。

【中田将太 氏 Profile】

岩手県内を中心に訪問理美容TONANと店舗型の「美容室登なん」を経営。また、全国で訪問理美容サービスを利用できるマッチングサービス「サパット」と、理美容師がスキマ時間に訪問理美容サービスを学べる「サパット+」を提供。

新入会・交替会員紹介

会員総数360名(2025年6月10日時点)

交代(1名)

山形 晃平 様

会員

山形 晃平 様

株式会社Stayway
仙台オフィス長